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肥満がいびきを引き起こすメカニズム

  • 執筆者の写真: hidefineday
    hidefineday
  • 5月24日
  • 読了時間: 2分

肥満はいびきの発生において最も重要な危険因子として認識されています。肥満度が高くなるほど、いびきの頻度や強さが増加する傾向があります。これは単なる偶然の一致ではなく、明確な生理学的なメカニズムが存在しています。

肥満によって増加する脂肪組織は、腹部だけでなく全身に蓄積されます。特に注目すべきは、首回り、舌、咽頭(のど)周辺にも脂肪が付着することです。これらの部位に脂肪が増加すると、睡眠中に上気道(空気の通り道)の内腔が狭くなります。通常の呼吸では、この狭くなった気道を空気が通過する際に周囲の軟部組織が振動し、いびき音として現れるのです。


医学研究によれば、閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)患者の平均BMI(体格指数)は26.1±1.5kg/㎡であるのに対し、OSAではない患者の平均BMIは22.7±1.4kg/㎡と明らかな差があります。このデータは肥満といびき・睡眠時無呼吸の関連性を裏付ける重要な証拠です。

特に注目すべきは首回りのサイズです。男性では首周り43cm以上、女性では38cm以上になると、睡眠時の呼吸障害リスクが著しく上昇するとされています。これは首回りのサイズが気道の狭窄と直接関連しているためです。また、内臓脂肪の蓄積も重要な要素であり、日本の調査では内臓脂肪面積が220cm²以上ある高度肥満者では、睡眠時無呼吸症候群(SAS)のリスクがほぼ100%に達するというデータも報告されています。


体重管理の重要性

研究によれば、体重が10%増加するとOSAの重症度が32%増加する一方、体重を10%減少させると52%の人でOSA症状が改善することが報告されています。このことから、いびきや睡眠時無呼吸症候群の治療において、体重管理が極めて効果的であることが証明されています。

健康的な体重の維持や減量に取り組むことで、いびきの改善が期待できます。専門家はBMI25未満を目指すこと、または現在の体重から10%減量することを推奨しています。


当院では、いびきの治療あるいは、肥満の治療両方のアプローチで対応しています。

是非ご相談ください。

 
 
 

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