いびきと遺伝
- hidefineday
- 5月28日
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いびきは単なる不快な就寝時の音ではなく、複雑な生理学的および遺伝学的要因が関与する現象です。近年の研究により、いびきの発生メカニズムと遺伝の関係について重要な発見がなされています。特に注目すべきは、UKバイオバンクが実施した約40万人を対象とした大規模な国際的ゲノム研究です。この研究では、いびきに関連する42の遺伝的領域が同定されました。この発見は、いびきの傾向に遺伝子が一定の役割を果たしていることを科学的に裏付けるものです。
また、フィンランドで実施された4,000人以上の双子を対象とした研究では、一卵性双生児間でいびきの発現率が高いことが確認されています。この研究結果は、同一の遺伝子を持つ一卵性双生児において類似した傾向が見られることから、いびきに対する遺伝的影響を強く示唆しています。現在の医学的推定では、いびきに対する遺伝率は約10%と考えられています。
小児のいびきや睡眠時無呼吸症候群についても、同様の遺伝的影響が認められています。子どものいびきは、扁桃肥大、肥満傾向、筋肉の緊張度など、遺伝的要素と環境要因が複合的に作用して発生します。親がいびきや睡眠時無呼吸の症状を持つ場合、子どもも同様の症状を示すリスクが高まることが複数の研究で確認されています。
このように、いびきは単純に「親から子へ直接遺伝する」というよりも、いびきを引き起こしやすい体の特徴や傾向が遺伝し、それに生活習慣や環境要因が加わることで発生する複合的な現象であると言えます。遺伝的要素の理解が進むことで、将来的にはいびきの予防や効果的な治療法の開発につながる可能性があります。
このように肥満でない方でもリスクはあります。ご家族かいびきをかいていて心配な方。ぜひ当院で一度検査をお受けください。
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